今月のプレミアムな男ふたり旅

この1月のプレミアムデー31日、さてどう過ごしましょうでしたが、ちょうど、高松オフィスの洲崎さんが来阪中、二人でデイトすることにしました。

三時に仕事を終えて、一路、京阪電車で京都七条駅。少し歩いて京都国立博物館に到着。
ここは、建物も素敵ですし、前庭もどこかヨーロッパのお城の庭の趣き、心休まる場。金曜土曜は夜8時まで開館しているので、ゆっくり拝見できます。(先日は、佐竹本三十六歌仙を拝見。)この31日は大きな展覧会はなく、「神象と獅子・狛犬展」「子 ねづくし展」等、ふだんあまり馴染みはありませんが、なかなか興味深いものが沢山観られました。狛犬も、平安期のものは優しいお顔ですのに、鎌倉期になると荒々しいお顔になってきたり、時代による変化も実感出来ました。子は、子沢山~繁栄の徴として、我国で愛されてきたと聞き、成程でした。洲崎さんとの展覧会見物は初めてでしたが、お互い邪魔し合わず適度に語り合いながらの良い時間でした。

今回、京都国立博物館周りの御寺について少し触れてみます。
京都国立博物館の斜め向かいには、通し矢と1001体の千手観音像,風神雷神像等で知られる、蓮華王院三十三間堂があります。こちらの1001体の千手観音の並ぶ姿、圧倒的な迫力の凄いパワー、心が押しまくられます。

北東すぐには、桔梗の花と長谷川等伯一門の障壁画等で知られる智積院(ちしゃくいん)があります。こちら智積院の等伯一門の障壁画に溢れる宝物館には、ここ5年くらいの間でも10回以上通っています。ふとしたときに、観たくなる~と言いますか~、逢いたくなります。逢いたいと思うと、こちらに来ます。さあ、これから、いったい何度、こちらに伺うのでしょう(^^ ♪楽しみです。等伯一門の障壁画の素晴らしさは、又、あらためて。

 

正面

 

 

回廊

 

 

お座敷

 

運良く、誰もいない御座敷でした。私は、初めてのことでした。

さて、ここで少し智積院寺紋の桔梗(紋)について。(智積院には、桔梗の花も沢山植わっていて、6-9月の花期は、とても素敵です。)
この[青海波]によく登場する廬山寺(ろざんじ)も、桔梗の花で知られていますが、それは、どうやら、明智光秀繋がり。一方、智積院の桔梗紋の由来は、豊臣秀吉の家臣の、築城の名手として知られる加藤清正の家紋からだそうです。熊本城! 智積院の場所には元々、祥雲禅寺というお寺がありました。そこは、豊臣秀吉の子で3 歳で他界した「鶴松」の菩提を弔うお寺だったとか。今の智積院は、根来から来られた玄宥僧正を第一世能化とする真言宗智山派の総本山、総菩提所、総祈願所ですけれど、以前は祥雲禅寺、今は宝物館に置かれている長谷川等伯一門の作の国宝障壁画も祥雲禅寺に飾られていたようです。( 現在では、障壁画が木の柵でしっかりと守られていたり、やや興ざめですが、以前は柵も無く観られました。又、気が向けば照明を落として、白色の蛤粉(胡粉・ごふん)の煌めきを眺める事も出来ました。あのときめきの輝きを、目は今も憶えています。色んな輩のいる現在、諸々の制約は仕方ないのですが、ときには、灯りを消して・・・と願います。)
立派な寺が建立されたことを、秀吉が喜び、造営奉行を務めた清正の家紋の一つ、桔梗紋が寺紋とされたそうです。清正と言えば、蛇の目紋も知られていますが、桔梗と蛇の目、二つの紋を使い分けていたようです。

 

桔梗紋

 

ゆったりと博物館鑑賞をすませてから、二人は木屋町方面に向かいました。ここ何年かの私のお気に入りのおばんざいやさん~いつも超満員。10人も入れない小さなお店で、予約なしでは無理です。京都で大学生活を過ごした洲崎さんですが、こちらは初体験とのことでした。~で、じつに美味しく飲んで食べて語って満たされました。こちらのおかみさん、大らかで楽しい方で、いつも元気づけられます。(店名は、敢えて記しません。興味がおありでしたらお伝えしますので、私までお問い合わせください。一見さんはあまり・・・かもしれませんけれど。)

次は、やはりお気に入りの木屋町のBAR。薄暗い落ち着いた空気が心しっとりとさせてくれます。和やかな場所。こんな空間では正直にいい御話が沢山出来ます。大人になれます。そして、二人、木屋町の夜のとばりに溶け込んでいったのでした。

おしまい

 

岸本仁一

岸本仁一